スーザン・A・クランシー 『なぜ人はエイリアンに誘拐されたと思うのか』第3回


Clancy, S, A. 『ABDUCTED』の邦訳版。

性的虐待についての”回復された”記憶の研究を行っていた研究者が、

その”回復された”記憶をより安全に研究する方法として選択したのが、

「エイリアンに誘拐されたと思っている人の”回復された”記憶」についての研究であった。


第3章は、「アブダクションが起きていないとしたら、なぜ、そのような記憶があるのか」について。


アブダクションのビリーバーには、記憶のある人と記憶のない人がいる。

その異なりは何を意味するのか?


これに対して、著者は、催眠療法やイメージ誘導などの名称で語られる精神療法の技法を用いる

アブダクション研究者やセラピストを探し出すか、探し出されるかしていることを明らかにする。

この精神療法は、失った記憶を取り戻すことや記憶からこぼれおちた詳細な点を補うのに役立つとされている。


第2章でみてきたように、自分が考えていること・信じていることを補強し、正しいものであると保証するものを

手に入れたいと思っている場合、それを手に入れるために、催眠療法を取り入れるのは想像に難くない。


では、催眠は有効な記憶回復方法なのだろうか?

もちろん、NOである。


役立たずである上に、”偽りの記憶”を創作する手助けをしてしまう。

そして、それは、本物らしく見えてしまう。