『「心理テスト」はウソでした-受けたみんなが馬鹿を見た-』 Part. 2
第2章 万能心理テスト−その名も「バーナム効果」
Forer(1949)の一般的な性格記述によって人を騙す実験を取り上げ、
Meehl(1956)による「誰にでもあてはまるような一般的な記述を自分だけに当てはまるとみなしてしまう現象」
=バーナム効果の名付け
誤謬率30%の精神病*を検出するテスト 精神病者90名 正常者10名におこなう
⇒精神病者27名が正常者、正常者3名が精神病者と診断
=30名が誤って診断される
(*現在、差別用語化している。原文のまま記述。)
この場合、100名全員を精神病者として診断する方が誤謬は低い。
誤謬率5%の精神病*を検出するテストでは、誤って診断されるのは、5%となる。
よって、心理テストは、
①妥当性 ②基礎確立(ターゲットが対象集団に含まれている確率)
によって成績が左右される。
心の問題を抱えてくる人が多くやってくる施設では、ある程度の妥当性しかないテストでも、
常に「病んでいます」と答えれば、「あたる」
バーナム効果は、主観的妥当性効果、個人的妥当化効果、確証バイアスとも呼ばれる。
Furnham & Schofield(1987)によるレビューを取り上げ、
①男女差がほとんどないこと
②権威主義的な人、他者からの承認欲求の高い人はだまされやすい
③嘘でも心地よ情報であれば信じやすい
④あいまいで意味のとりにくい表現を入れておくと説得力が増す
などの要因をまとめている
著者によるバーナム効果の実験について記述しているが、
非常におもしろい。
人がいかに騙されてやすく、都合のいい評価しか認めないのかがよく分かる。
最後に、倫理的な問題があるテストが多く使われていることを指摘し、
3章以降でそれを明らかにしていく。
- 作者: 村上宣寛
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